Date: 10月 4th, 2017
Cate: アンチテーゼ
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アンチテーゼとしての「音」(その9)

フツーにいい音が、「毒にも薬にもならない音」だとしたら、
「毒にも薬にもならない文章」は、フツーにいい文章なのかもしれない。

スピーカーを買い換え、謝罪した知人は、
文章のテクニックの向上には、つねに積極的で熱心だった。

けれど、そうしたところで知人は「毒にも薬にもならない文章」を自ら選択した──、
25年目でちょうど切れてしまった縁だが、
知人をみてきた私は、そう思っている。

フツーにいい音もフツーにいい文章も、無害を求めているのだろうか。
無害な文章であれば、
謝罪する(でも、それが間違っている、と思うのだが……)ようなことにはならない。

無害な文章といえば、
別項『「商品」としてのオーディオ評論・考』で書こうとしていることも結局はそうなのかもしれない。

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