マルチアンプのすすめ(その41)
のどあたりに音源が定位するタイプのホーンであれば、
コーン型ウーファーとの組合せでは、ホーンをぐっと前につきだせば、
実音源と仮想音源の位置、どちらも合せること可能である。
ただホーンに大型のモノ、カットオフ周波数が数100Hzのモノとなれば、
コンプレッションドライバーとウーファーのボイスコイル位置を合せるということは、
ホーンの突き出し量にともない、
ホーンの固定方法をどうするかを考えなければならない。
ホーンの大半がエンクロージュアから突き出すかっこうになるから、
そのままではホーンは斜め下を向く。
それに1977年ごろに、
マランツのスピーカーシステムの設計をまかされたエド・メイがいっていること、
(その40)でも書いたことが、ここでも問題になる。
コーン型とドーム型といった、ダイレクトラジエーター同士であっても、
音源位置を合せようとすると、フロントバッフルに段が生じる。
ホーン型とコーン型とでは、ホーンの突き出し量は、
ダイレクトラジエーター同士の段差よりもはるかに大きい。
ここでの反射は、とうぜんずっと大きくなる。
もちろんどんな方法にもメリット、デメリットがある、と何度も書いているように、
それでも音源の位置合せをすることによるメリットが、
反射を増えることによるデメリットよりも、聴き手にとって価値・意味があれば、
そして聴き手本人がそれで満足しているのであれば、口出しすることではない、とわかっている。
それでもホーンが大きく前に突き出している恰好は、
私は正直見たくない。
実験的に試してみても、それをそのまま自分のシステムとして使いたいと思うことはない。