Date: 7月 13th, 2017
Cate: 使いこなし
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他者のためのセッティング・チューニング(その5)

マリーザ・モンチのディスク”UNIVERSO AO MEU REDOR”の一曲目だけをかけていた。
こういうときは一曲最後まで聴くことはせずに、
曲半ばでセッティングを変え、また同じところを聴くことをくり返す。

7月のaudio wednesdayでは十回ほど、一曲目を聴いた。
一分半ほどの十回で、セッティングの変更の時間が加わる。
なのでトータルでかかった時間は20分弱か。

CDプレーヤー、アンプ、スピーカー、ケーブル、
すべて最初から同じままである。

Hさんは、その過程の音を聴きながら、
「自宅で聴いている音のイメージに近づいてきた」といわれた。
まだまだこまかなところをつめていくこともできたが、
Hさんの時間的余裕もあって、
このへんかな、と思った音を聴いてもらった。

「マリーザ・モンチのイメージそのまま」ということだった。
リズムが流れてしまう、という、
ブラジル音楽好きのHさんにとって、どうしても気になっていた点も、解消できた。

その音を聴きながら、
「この音がいい音かどうかわかりませんが、いつも聴いている音です」
そういった趣旨のことをいってくれた。

ここは大事なことである。
ここで私がやったのは、
ブラジル音楽好きのHさんためのためのセッティング・チューニングであって、
私自身が、私が好む音楽を聴いて好ましい音かどうかではない。

もうひとつ大事なことは、Hさんは、
自身の中にマリーザ・モンチのディスクがこう鳴ってほしい、
というイメージをしっかり持っておられた。

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