他者のためのセッティング・チューニング(その4)
アンプやCDプレーヤーであっても、最近は三点支持の製品が多い。
底板の形状が三角形もしくは円形であれば、三点支持はいい結果を得られるはずだ。
だが実際の製品の多くは、底板は四角形である。
これを三点で支持することに、なんの疑問も感じないのだろうか。
こんなことをいうと、四点支持よりも三点支持のほうが音がいいから、という人がいる。
三点支持と四点支持の音は、かなり違う。
それに三点支持はガタツキをなくすという点でも楽である。
三点支持を完全否定はしないけれども、
基本は四点支持と私は考えている。
喫茶茶会記のスピーカーのエンクロージュアは四角い箱である。
このスピーカーを三点支持で鳴らしたことはなかったが、
ステレオサウンドの試聴室で、ダイヤトーンの木製キューブDK5000を使って、
三点支持と四点支持の音の違いの傾向は把握している。
DK5000は、今回も使っている。
前二点、後一点の三点支持に変えてみた。
この音を聴いてもらった。
リズムの流れに関しては、三点支持のほうがよくなった、とのことだった。
これで、なんとなくではあっても、リズムが流れる、ということがどういうことなのか、
掴めた、とまではいえないけれど、少なくとも方向はわかった。
次にやったのは三点支持のこまかなところの変更を二つ試した。
これである程度「リズムが流れる」ということがどういうことなのか掴め始めてきた。
こうなってくると、次になにをやるかが自然と頭に浮かぶ。
あそこをこう変えてみて、とか、そこでの結果をふまえて、その次はどうするか。
マリーザ・モンチのディスクを、そんなふうにして十回ほどかけた。
その他にこまかなところを変えてみた。