ホーン今昔物語(その2)
audio wednesdayでやろうと考えているホーンの比較試聴。
JBLの537-500と2397の比較。
どちらのホーンも、いまや古い世代のホーンになってしまった。
537-500はウェスターン・エレクトリック時代からある。そうとうに古い。
2397にしても、実のところ、けっこう古いホーンである。
岩崎先生がスイングジャーナル増刊「モダン・ジャズ読本 ’76」掲載の
「理想のジャズ・サウンドを追求するベスト・コンポ・ステレオ25選」に書かれている。
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使い慣れたJBLをシステムとして生かすべく考えたのがこの2397ホーンと375ユニットの中高音用を組込んだシステムだ。52年発行の米国のあるオーディオ文献に掲載してあったウェスターン・エレクトリック社無響室の写真で、技術者の横に置いてあるスピーカー・システムが眼に止った。この、小型フロアー型とも思えるシステムに、大きさといい、形状といい、JBLの木製ラジアル中高音用ホーン2397をそっくりの高音ユニットが使われているではないか!
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当時、JBLのホーンで2397だけが木製だった。
しかももっとも薄いホーンでもあった。
家庭用ホーンとして、2397がいちばん適しているように思えた。
その2397でも、古いのだ。
ホーン型スピーカーには、その構造からくる特有のクセがどうしてもある。
それは古い世代のホーンのほうが、より強い、ともいえる。
そんな古いホーンの比較試聴をしようというのだから、
ホーン型そのものを認めていない人からみれば、バカなことをやろうとしている、とうつろう。
現在のJBLのホーンは、バイラジアルホーンと呼ばれる、
定指向性ホーン(Constant-Directivity Horn)である。
CDホーンと呼ばれることもあるし、アルテックはマンタレーホーンとも呼んでいた。