Date: 6月 13th, 2017
Cate: 598のスピーカー
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598というスピーカーの存在(長岡鉄男氏とpost-truth・その11)

「五味オーディオ教室」には、音キチという表現が出てくる。
音キチの「キチ」とは、キチガイの略である。

「五味オーディオ教室」が出た1976年は、
ぎりぎり音キチという言葉が使われていた。

音キチは、ある意味蔑称でもある。
音ばかりに夢中になって、肝心の音楽を聴いていない──、
そんな意味も含まれて使われることがあるからだ。

けれど、私は音キチといわれようと気にはしない。

よく音(オーディオ)に関心のない人の中には、
「まず音楽ありき、でしょ、オーディオありきではないでしょ」、
こんなことをいう。

いちいち反論するのもイヤになるくらいに聞き飽きた。
だが、いいたい。
音楽ありきの前に、音ありき、である、と。

「まず音楽ありき、でしょ、オーディオありきではないでしょ」という人の多くは、
音とオーディオをまったく同一視している。

そうでないことをいちいち説明したところで、わからない人はわからない。
オーディオに関心がなくとも、わかる人はわかる。
そういうものである。

まず音ありき、なのだ。
だからこその音キチである。

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