Date: 5月 12th, 2017
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日本の歌、日本語の歌(アルテックで聴く・その4)

瀬川先生は、ステレオサウンド 56号で続けて、こうも書かれている。
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 もうひとつ別の見方がある。国産の中級スピーカーの多くは、概して、日本の歌ものによく合うという説である。私自身はその点に全面的に賛意は表し難いが、その説というのがおもしろい。
 いわゆる量販店(大型家庭電器店、大量販売店)の店頭に積み上げたスピーカーを聴きにくる人達の半数以上は、歌謡曲、艶歌、またはニューミュージックの、つまり日本の歌の愛好家が多いという。そして、スピーカーを聴きくらべるとき、その人たちが頭に浮かべるイメージは、日頃コンサートやテレビやラジオで聴き馴れた、ごひいきの歌い手の声である。そこで、店頭で鳴らされたとき、できるかぎり、テレビのスピーカーを通じて耳にしみこんだタレント歌手たちの声のイメージに近い音づくりをしたスピーカーが、よく売れる、というのである。スピーカーを作る側のある大手メーカーの責任者から直接聞いた話だから、作り話などではない。もしそうだとしたら、日本の歌を楽しむには、結局、国産のそのようなタイプのスピーカーが一番だ、ということになるのかどうか。
 少なくとも右の話によれば、国産で、量販店むけに企画されるスピーカーは、クラシックはもちろん、ジャズやロックやその他の、西欧の音楽全般に対しては、ピントを合わせていない理くつになるわけだから、その主の音楽には避けるべきスピーカーということにもなりそうだ。
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瀬川先生は全面的に賛意はしないとされている。
私も同じだ。

ただし、これは国産の中級スピーカーに関してのことである。
きちんとはつくりこまれた国産スピーカーの場合は、どうなのか。

2015年のインターナショナルオーディオショウで、ヤマハのNS5000の試作機が鳴らされていた。
二年前の「ショウ雑感」にも、そのことは書いた。
NS5000に、私は期待していた。

2016年に完成品として登場したNS5000に、私は失望した。
悪いスピーカーに仕上がったわけではない。
優秀なスピーカーに仕上がった、といえよう。

NS5000への関心はなくなってしまったし、
2015年の時点で気づいてたけれど、書かなかったことがある。

別項でも、気になる点があると書いた。
二枚のディスクに共通して感じられた気になる点である。

それは、ここでテーマとしている日本語の歌だけがうまく鳴らなかった、ということだ。

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