Date: 5月 9th, 2017
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日本の歌、日本語の歌(アルテックで聴く・その1)

ステレオサウンド 56号の特集(組合せ)で、瀬川先生がこんなことを書かれていた。
     *
 日本の、ということになると、歌謡曲や演歌・艶歌を、よく聴かせるスピーカーを探しておかなくてはならない。ここではやはりアルテック系が第一に浮かんでくる。620Bモニター。もう少しこってりした音のA7X……。タンノイのスーパーレッド・モニターは、三つのレベルコントロールをうまく合わせこむと、案外、艶歌をよく鳴らしてくれる。
     *
56号のころ、私は高校生。
クラシックをかなり聴きはじめていたころでもあるが、
グラシェラ・スサーナのうたう日本語の歌もよく聴いていたころだ。

だから、この一節が、他のところ以上に記憶に残っている。
グラシェラ・スサーナの歌も、《歌謡曲や演歌・艶歌》なのだから、
それを《よく聴かせるスピーカー》としてアルテックの620BとA7X、
タンノイのスーパーレッド・モニターを挙げられている。

グラシェラ・スサーナをよく聴いていたわけだから、
ここでの《歌謡曲や演歌・艶歌》は、女性ヴォーカルということになる。

瀬川先生は、ここでは男性ヴォーカルなのか女性ヴォーカルなのかは書かれていない。
どちらも、ということなのだろう。
それはわかったうえで、高校生であった読み手(私)は、女性ヴォーカルとして受け取っていた。

アルテックはアメリカのスピーカーである。
620Bはスタジオモニターなのでまだしも、
A7X(ドライバーが802-8Gに変更されている)は、元は劇場用であり、
私の中のイメージでは、男性ヴォーカルに向いている、というものだった。

高校までは熊本に住んでいた。
JBLはよく聴く機会があったのに対し、アルテックに関しては一度もなかった。

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