Date: 5月 9th, 2017
Cate: オーディオマニア
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オーディオは男の趣味であるからこそ(その2)

5月8日の川崎先生のブログ「ヘッドホンはまだワイヤード、そのコードも問題」、
冒頭の数行、
《美大入学直後のオーディオ装置は、
2chのオープンテープデッキと手に入れたあるメーカーのヘッドホンだけ。
オープン用の選び抜いたテープだけ10本も無く、ひたすら聴いていました。》
ここを読んで「あれっ、あのことは川崎先生のことなのか」と思った。

瀬川先生の「コンポーネントステレオのすすめ」の第二章、
「コンポーネントステレオを構成する」の中に、こんなことが書いてあった。
     *
 ある販売店にどこかの大学生が30万円ほどのお金を持ってやってきた。そして、38センチ2トラックの、つまり相当にぜいたくなテープデッキを買ったのだそうだ。大学生は店員に、ヘッドフォンを一個、おまけにサービスしてくれと頼んだ。
 こんなデッキを買う客だから、アンプやスピーカーもさぞかし高級品を持っているだろうと店員が質問すると、大学生は、いや、このデッキが僕の最初の買い物なんだ、アンプやスピーカーやチューナーは、この次の休暇のアルバイトでかせぐんだ、と答えたそうだ。それまでは、友人たちにテープをダビングしてもらって、このヘッドフォンで楽しむのさ……と。
 30万円あれば、ローコストのコンポーネントを一揃い揃えることもできるのに、彼は遠大な計画をたてて、建て増し式で高い水準の装置を揃えようとしている。一式30万円の装置でも、部分的に少しずつ入れ換えしながら、成長させることができなくはないが、しかしそれでは最初から低い水準のパーツでがまんしなくてはならないし、成長の完成したときに最初のパーツはほとんど姿を消してしまうだろう。右の実話のように、一度に完結しなくとも、大きな目標に向かって計画を少しずつ実現させるという考えを、私は好きだ。
     *
どこかの大学生は、川崎先生のことなのかもしれないし、
まったく別の人のことなのかもしれない。

オーディオは、男の趣味だとおもう。

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