Date: 11月 15th, 2008
Cate: 真空管アンプ
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真空管アンプの存在(その18)

現在のコントロールアンプだと、S/N比向上にともない、
聴感上のノイズが気になることはあまりないのかもしれない。

アメリカから新興ブランドの真空管アンプが登場したころは、トランジスターアンプでも、
能率の高いスピーカーや近接距離での試聴では、ノイズの出方に注意が行く。

レコードに針を降ろしてボリュームをあげ、音が出るまでのわずかな時間のノイズ、
音楽がピアニシモになったときのノイズの出方はさまざまで、
サーッとワイドレンジで、ホワイトノイズのように広い帯域に分布しているものもあれば、
比較的に耳につきやすい中高域にシフトしているもの、ザーッという感じのもの、
へんな言い方だが、ノイズが左右にきれいに広がり、
バックグラウンドノイズと言いたくなるものもあれば、
ふたつのスピーカーのセンター付近に定位するものもある。

測定上のSN比とは別に聴感上のSN比がいいものは、音楽が鳴り出すと、
ノイズは、楽音と混じりあわない。
けれど、なかには砂をまぶしたように、楽音に絡みつく類のノイズを出すアンプがある。

測定上は同じ値のSN比でも、後者のアンプは、ノイズが耳についてしまう。

砂をまぶしたようなノイズも、砂の粒子がいろいろで、
やはり粒子が小さくなり、しかも乾いてさらさらしているならば、
粒子が大きく湿ってジャリジャリした感じのものよりも、ずいぶんいい。

粒子が小さくて、乾いてさらさらしている感じのノイズを、
新興ブランドの真空管のコントロールアンプに共通してあるように感じていた。

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