Date: 11月 15th, 2008
Cate: 真空管アンプ
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真空管アンプの存在(その17)

アメリカでも、オーディオリサーチ、ダイナコが真空管アンプをつくり続けていた。
とはいえ、アメリカの新興ブランドの真空管アンプと、
真空管アンプ全盛時代のマランツ、マッキントッシュ、QUAD、リークといったブランドのそれらとは、
あきらかに技術の断絶がある、と言いたい。

トランジスターは小信号用も含めて、基本的には電流増幅素子である。
一方、真空管は、出力管もそうだが、電圧増幅素子と考えたほうが良い。
つまり回路全体のインピーダンスが大きく異る。

それから真空管にはヒーター(フィラメント)が必要不可欠で、熱も出す。
機械的な電極から構成され、外側を被っているのは、金属もあるが、大半はガラスだ。
サイズも、トランジスターと比較するとそうとうに大きい。

回路構成も重要だが、真空管の取りつけ方法、それから向き、配線の引き回しなど、
コンストラクションに関して、トランジスターとは、また違う注意が必要になるのに、
技術の断絶からか、トランジスターと同じように扱っているという印象を、
個人的に、新興ブランドの真空管アンプに対して持っている。

もっとも、従来の真空管の使い方にとらわれないから、
従来の真空管アンプとは異る、
そして最新のトランジスターアンプとも違う魅力を持っているのは、確かにそうである。

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