Date: 11月 9th, 2008
Cate: 川崎和男, 提言
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いま、そしてこれから語るべきこと(その2)

2002年夏、TEPCO銀座館プラスマイナスギャラリーで開催された
「ヒューマン・センター・デザインの視展(ユニバーサルデザインを超えて)」の会場で、
設置されていたモニターでは、デザインの「機能性、性能性、効能性」について、川崎先生が語られていた。

オーディオの「機能性、性能性、効能性」──。
オーディオマニアが音について語るのも、
オーディオ雑誌が、オーディオ機器の評価をするのも、
オーディオの「性能性」のところであろう。
音がどんなふうによいのか、どれだけよいのか、という性能性についてである。

80年代からオーディオは斜陽産業と言われてきた。
なぜそうなったのかは、いろんなことが絡みあってのことだろうが、
そのひとつの理由が、オーディオに関心のある人たち、プロもアマチュアも、
オーディオの性能性ばかりについて語ってきたためだと思う。

オーディオ好きな人に対しては、それで十分だろうが、
音楽が好きだけど、オーディオにはさほど、もしくはまったく関心のない人たちに対して、
オーディオの性能性ばかりを伝えても、大半のひとは振り向いてくれない、と思っていい。

いい音を聴くためだけに、少なくとも数十万円、できれば百万円以上、
さらに上には一千万円以上必要なんて、と思われてしまってもむべなる哉。

エジソンが蝋管によるアコースティック蓄音器を発明したのをオーディオの始点としても、
オーディオの機能性は発展は多岐にわたり、素晴らしいものだと思う。

蝋管が円盤になり、複製が容易になり、取り扱いも楽になったことも、機能性に関することである。
そして蓄音器がアコースティック式から電気式になり、音量の調整が可能になり、モノーラルからステレオになり、
低音、高音だけの増減だけのトーンコントロールから、
パラメトリックイコライザー、グラフィックイコライザーなども登場し、
デジタル技術が、さらなる機能性をもたらしている。

オーディオの機能性の魅力を把握してこそ、
個人個人のオーディオの世界は広がりを増すだろうし、
これまで、音楽は好きだけど、なぜかオーディオに関心をもってくれなかった人たちに、
オーディオの機能性を、正しく伝えること、説明することは重要なことである。

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