Date: 8月 9th, 2016
Cate: 「オーディオ」考
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デコラゆえの陶冶(その4)

ステレオサウンド別冊Sound Connoisseurには、
五十嵐一郎氏の「デコラにお辞儀する」が載っている。
カラーページを含めて10ページの、デコラだけのページである。

デコラに関して知りたい人がいまもいるならば、まずこの記事を読むことをすすめる。
こんな書き出しで始まる。
     *
 コンポーネント全盛のこの時勢に、やれ電蓄だの蓄音器が欲しいといって、いささか回りの人たち顰蹙を買っているんですが、レコード音楽を聴き込めば聴き込むほど、装置全体の忠実度の高さとかリスナーとの整合性とは全然関係ない、つまり自分の体験した出来事に基づいた想い、を知らず知らずのうちに聴いていることにある日気づいたんです。やはり、「音がいいだけじゃ、つまらぬ」といいたいなぁ。私がまた、「音楽を聴くのに、何よりもシチュエーションが大事」と痛感するようになってきたことも、名器なるものを意識するようになった動機の一つだと思います。
     *
いまもコンポーネント全盛の時代である。
電蓄の時代よりも、コンポーネント全盛の時代のほうが、ずっと長い。
これからもしばらくはコンポーネント全盛の時代が続いていくはずだ。

21世紀の電蓄は、たとえばリンが目指している方向もそのひとつといえるようが、
リンの人たちは、いま彼らが取り組んでいることを「21世紀の電蓄」と呼ばれたいのか、とも思うし、
個人的にも、あの方向を電蓄とは呼びたくない。

デコラはS氏のところに到着したときに、三台輸入されている。
このことは五味先生も書かれているし、五十嵐氏も書かれている。
そのうちの一台は毀れていた。

一台はS氏(新潮社の齋藤十一氏)のところに、
もう一台の行方を五十嵐氏は探され見つけだし、入手されている。
シリアルナンバー11番のデコラである。

となると齋藤十一氏のデコラもシリアルナンバーは近いのか。
「デコラにお辞儀する」によると、
デコラは、デッカ・スペシャル・プロダクト部門によって百台作られたとのこと。

何台現存しているのか。
そのうち何台が日本で鳴っているのだろうか。

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