Date: 7月 16th, 2016
Cate: 世代
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世代とオーディオ(JBL SE408S・その4)

ステレオサウンド 38号「クラフツマンシップの粋(2)」の座談会の最後、
「そして突然の終焉が」という見出しがついている。
     *
山中 ところがあろうことか、これらのアンプの製造が、ある時期になって突然打ち切られたのですね。別段人気が落ちたり、旧型になったからやめたというのではなくて、現役製品のバリバリのままだったのに、突如として製造を中止してしまった。これはもう、何ともわれわれとしては残念なことでしたね。しかしまた、その消えっぷりのよさも見事でしたね。これだけ魅力的な製品の最後としては非常によかったのではないかと、今になって思えばそういう気がするのですよ。あのままJBLがアンプの製造をつづけて、だんだん安物のアンプを作ってみたり、全然イメージが変わったもの出したしたら、かえって残念ですものね。
     *
JBLは1980年にコントロールアンプSG620、パワーアンプSA640を出す。
ブラックの筐体に、確かゴムのツマミを使っていた。
アンプ全体が醸し出す雰囲気は、まるで違ったものになっていた。

SG620とSA640の音は、聴いていない。
聴いたことのある人によると、最初に日本に入ってきたペアは、
びっくりするような音を聴かせてくれたそうだ。
その試聴機は故障、入念な修理がなされたはずなのに、音は明らかに変っていた、と聞いている。
最初の音がよかっただけに、その後の音には魅力を感じなかったようだ。

SA640は型番がSE640ではない。
EがAに変ったのは、エナジャイザーを搭載していないためであろう。

JBL独自といえるエナジャイザーだが、もしもJBLがアンプの開発を続けていたら、
変更されていったのではないか、と思えるところがある。

SE401用のエナジャイザーのイコライザーボードは、
左右チャンネルを一枚のプリント基板にまとめていた。
SE401Sになると、左右チャンネルが独立して、二枚のプリント基板になっている。

スピーカーシステムと対になってのイコライザーボードなのだから、
それにSE408Sもステレオ仕様なのだから、一枚のプリント基板のままでよかったのに、
あえて二枚にしているということは、
SE401Sの左右チャンネルに別々のイコライザーボードをさせるように考えていたのだろうか。
だとしたら、JBLはエナジャイザーによるバイアンプ駆動を……、
そうなったら専用のデヴァイダーが登場したのか……、
そんなことをつい考えてしまう。

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