私にとってアナログディスク再生とは(あるラジオを聞いていて)
数日前、ラジオでアナログディスクについて語られていたのが、偶然耳に入ってきた。
途中からだったし、短い時間だった。周囲の雑音も多いところだったから、
どこまで正確に聴きとれていただろうか、と思うところはあるけれど、
概ね、こんなことが話されていた。
在日ファンクのヴォーカル、浜野謙太という人が言っていたことだ。
CDはドメスティックな感じがして、家庭でひとりで聴く感じ。
アナログディスクはみんなに聴かせたい、みんなと聴く感じのするもの。
アナログディスク再生とCD再生。
そこには違いがある。
その違いをどう感じて、どう表現するか。
1982年にCDが登場して以来、
そういう文章、発言をどれだけ目にして耳にしてきただろうか。
それらをすべて読んできたとはいわないけれど、
かなりの数、見聞きしてきた。
それでも、今回の浜野謙太氏の発言は初めてだった。
CDは冷たい、アナログディスクはあたたかい──、
そんな表現だったら、取り上げたりはしない。
CDは、という括りには、リッピングしたデータも含まれているとは思う。
ヘッドフォン、イヤフォンで音楽を頻繁に聴く人は、この時代、多い。
この人たちをイメージしての、CDはひとりで聴く、という発言につながったのかも……、
そう考えもしたが、続くアナログディスクは……、の発言をきくとそうでもないという気がする。
私にとっては、アナログディスクもCDも、リッピングしたデータであっても、
その他のメディアであっても、家庭でひとりで聴くものであり、
その上でのCDとアナログディスクの違いがある。
多くのオーディオマニアは私と同じだと思う。
けれど在日ファンクの浜野謙太氏は、そうではない。
浜野謙太氏の捉え方は少数といえるのだろうか。
意外と多いのかもしれない。
どちらなのかは,いまのところわからない。
ただテクニクスのSL1200の人気、
SL1200のニューモデルの登場、
限定モデルがすぐに予約完売してしまったことなどが、
ここにつながっていくような気がしている。
そして、いまのアナログディスクブーム、そうなのかもしれない……、
そんな気もしてくる。
このことについては、もう少し考えていきたい。
とにかく浜野謙太氏の発言は、私にはとても意外だった。