第65回audio sharing例会のお知らせ(LNP2になぜこだわるのか)
6月のaudio sharing例会は、1日(水曜日)です。
人によって評価のわかれるアンプである。
マークレビンソンのコントロールアンプLNP2は、1970年代後半、オーディオ界のスターといえた。
LNP2を評価しない人であっても、当時LNP2にまったく関心のなかった人はすくないと思う。
私は若い頃、このコントロールアンプが欲しくてたまらなかった。
手が出せそうになったころには、興味を失いつつあった。
LNP2からJC2へと興味が移っていったことも関係している。
JC2はアメリカから中古を取り寄せてもらった。
私のアンプ遍歴はマークレビンソンから離れていく。
ジェームズ・ボンジョルノのアンプへと変っていった。
LNP2は私の中では、すっかり過去のアンプになってしまった。
そのLNP2に、40をすぎたころから、興味を持ち始めてしまった。
ブランドのMark Levinsonではなく、個人としてのMark Levinsonがどういう人物なのか、
あれこれ知っている。
スターはスターでもトリックスターかも、と思う面もある。
カタカナで表記すれば同じスターでも、スター(star)とトリックスター(trickster)なのだけれども、
そんなことをつい思う。
トリックスターには詐欺師、ペテン師、手品師の意味がある。
もちろん、この意味で使っている。
でももう一つある。
神話や民話に登場し、人間に知恵や道具をもたらす一方、社会の秩序をかき乱すいたずら者。道化などとともに、文化を活性化させたり、社会関係を再確認させたりする役割を果たす。(大辞林より)
《社会関係を再確認させたりする役割を果たす》
いまになってLNP2がどういう存在だったのか、
いまにおいてはどういう存在なのかを考えることは、オーディオの《社会関係を再確認》することにもつながり、
その役割を果たしているかも、と思いもする。
でも本当のところは、LNP2の世界から完全に抜け出せていないだけかもしれない。
片足の足首から下が、まだ嵌っているのだろう。
今回はLNP2を、audio sharing例会の常連のKさんが貸し出してくださるので、
マークレビンソン製モジュールとバウエン製モジュールのLNP2の音を聴く会を行う。
場所はいつものとおり四谷三丁目のジャズ喫茶・喫茶茶会記のスペースをお借りして行いますので、
1000円、喫茶茶会記にお支払いいただくことになります。ワンドリンク付きです。