フィッティング(その2)
昨年(2015年)は、映画「Back to the Future Part II」で描かれた未来だった。
2015年は前作「Back to the Future」から30年後の未来という設定で、
そこで描かれた未来の服は自動的に着ている人の体格に応じてフィットし、
ナイキのスニーカーは自動で靴ひもがしまるモノだった。
まさにフィッティング技術の、ひとつの未来形だったと思う。
オーディオ機器で身につけるモノといえば、ヘッドフォン、イヤフォンがある。
ヘッドフォンよりイヤフォンは、自分にフィットするモノであってほしい。
知人の女性は耳穴が小さく、
ほとんどのイヤフォンは痛いというし、カナル型でイヤーピースを一番小さなタイプにしても無理だという。
彼女の子供も母親譲りでやはり耳穴が小さく、イヤフォンは無理とのこと。
耳の各部のサイズや形状は人によって相当に違うようで、
指紋と同じくらい違うものである、ときく。
しかも左右の耳穴の形・大きさが違うことは珍しいことでもないそうだ。
そういう耳の形だから、
NECは人間の耳穴の形状によって決まる音の反響を用いた新たなバイオメトリクス個人認証技術を開発している。
ということは既製品のイヤフォンの中から、自分にぴったりのモノを選ぶのは、
音をふくめての選択となるわけだから、かなり困難なことである。
だからカスタムメイドのイヤフォンが登場してきたし、この種のサービスを提供するところもある。
この手のものが、もっときめ細かいサービスを提供するようになっても、
解消されるのはサイズ・形状に関することであり、
ヘッドフォン、イヤフォンのとってもっとも大事なフィッティングは、いまのところ見落とされているのか、
あるいは無視されているのか、わからないがまだである。
けれどヘッドフォン、イヤフォンの世界から少し離れたところ(補聴器においては)、
すでに電子的コントロールによるフィッティング技術がある。