Date: 3月 14th, 2016
Cate: ステレオサウンド
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ステレオサウンドについて(その25)

4341が大きなブックシェルフタイプということになれば、
その後継機の4343もそうなるのか。

ステレオサウンド 45号の「サウンド・スペースへの招待」を読んで、そう心の中で呟いていた。
まだそのころは4341も4343もきちんと聴いたことがなかった。

田中一光氏の発言をきちんと理解するだけのものを、まだ築いていなかった。

数年後、岩崎先生が4350を、やはり「大きなブックシェルフ」的発言をされているのを知った。
4341、4343よりも大型で、ダブルウーファーで、搭載しているユニットもより強力な4350をも、
大きなブックシェルフのようだ、ということは、すんなりとは受け容れられなかった。

同じことをいわれている田中一光氏と岩崎先生、
ふたりともハークネスを使われている、という共通点があることだけは気づいていた。

大きなブックシェルフタイプのような音とは、いったいどういう音なのか。
そのことを理解し、田中一光氏、岩崎先生の発言に納得できるようになるのは、もっとあとのことだ。

ちなみに4350は「テキサス・ブックシェルフ」というニックネームがつけられていた、
とステレオサウンド別冊「JBL 60th Anniversary」にある。

訳注には次のように書かれている。
     *
アメリカン・ジョークでは、テキサスでは何でも並外れて大きいことになっていて、州外からやってきた人間がそれに驚くというのが定番である。「テキサス・ブックシェルフ」というのは、大型スピーカーを作ることで知られるJBLでも、このプロトタイプは史上屈指の巨大システムだったのだが、「でも、テキサスなら、これくらいじゃあブックシェルフ=小型スピーカーだぜ」というジョークである。
     *
けれど日本には、ジョークではなく《大きなブックシェルフタイプといった音》と感じる人たちがいた。

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