アナログプレーヤーの設置・調整(その29)
アナログプレーヤーとコントロールアンプの位置関係は、
ケーブルの引き回しに関係してくる。
何度も書くが、アナログプレーヤーは微弱な信号を取り扱っている。
オーディオ機器でいちばん微弱な信号ともいえる。
だからこそ細心の注意を払う。
1970年代、アナログプレーヤーの出力ケーブルとして、
低容量型と低抵抗型が、同じメーカーから発売されていた。
低容量型ケーブルはMM型、Mi型用であり、
低抵抗型ケーブルはMC型用である。
同軸ケーブルという構造上、
低容量と低抵抗を両立させることは難しい。
だからMM型には低容量、MC型には低抵抗という使い分けが常識だった。
低抵抗のケーブルは、いうまでもなく低容量のケーブルよりも静電容量が大きい。
インピーダンスが高いMM型だと、この静電容量が負荷となりハイカットフィルターが構成され、
容量が大きければ可聴帯域内で減衰が始まってしまう。
MC型でも同様にハイカットフィルターが構成されるが、
出力インピーダンスが低いため、カットオフ周波数は十分に高い周波数となる。
むしろ問題はケーブルの抵抗である。
ケーブルの抵抗値が高ければ減衰器として作用してしまう。
MM型よりも出力電圧の低いMC型の信号が、アンプもしくは昇圧トランスの入力に着く前に減衰してしまう。
ケーブルの抵抗値が大きいほどげ減衰量も大きくなる。
だからMM型には低容量、MC型には低抵抗のケーブルということになる。
そしてどちらのケーブルにおいても、ケーブルの長さが容量、抵抗と関係している。
短ければ容量、抵抗は低くなり、長ければ大きくなる。
同じ低容量のケーブルであっても長さが半分になれば静電容量は半分になる。
長さが倍になれば静電容量も倍になる。
抵抗に関しても同様だ。