Date: 3月 12th, 2016
Cate: ステレオサウンド
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ステレオサウンドについて(その23)

ステレオサウンド 45号「サウンド・スペースへの招待」ではっきりしたことがある。
別冊「コンポーネントステレオの世界 ’77」に載っている《V・ハウス「ビルト・インの手法」》、
このモダンな印象の部屋も、田中一光氏の部屋である、というこだ。

45号の「サウンド・インテリアの楽しみ」の中に、田中一光氏の発言としてこう書いてある。
     *
「僕の聴く音楽の傾向との相性もあるのでしょうが、響きのたちが好きになれないのです。4341は、シャープネスはあるし、ダイナミックレンジの幅があって、いかにもハイフィデリティを狙ったという感じですね。どうしてもデモンストレーションという聴き方をしてしまう。ですから深夜に住いに帰ってきて針をおろすにはふさわしくないのです。くつろいで音楽を聴こうとしたら、やはりこちらのハークネスの方がいいということになってしまう。
 はじめは4341を主要システムとして自宅のこの部屋で使おうかと思っていたのですが、結局のところ新しい音がそれほど好きになれない。このシャープで細かい音は、どちらかというと腰の強さや図太さを大切にする僕の音楽の聴き方に向かないということでしょうか。
 JBLは僕は好きだけれど、昔のJBLがいい。ハークネスはホーンロード型ですが、こののびのびとした響きにくらべると、4341は何か大きなブックシェルフタイプといった音にきこえる。ここ20年の技術的進歩というものは、スピーカーに於てはそれほど大きくないね。ハークネスを再評価することになった……」
     *
結果、4341は山中湖の別荘で、
AGIの511、マランツの510Mで鳴らされることになる。

山中湖の別荘、511、510M、4341というキーワードで、
45号の記事中にははっきりと書いてあったわけではないが、
すぐに《V・ハウス「ビルト・インの手法」》の、あの部屋だと気づいた。

《V・ハウス「ビルト・インの手法」》も印象に残っていたからだ。

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