ステレオサウンドについて(その24)
田中一光氏の部屋は、別冊「sound space 音のある住空間をめぐる25の提案」にも登場している。
この別冊は1979年秋に出ているから、ステレオサウンド 45号から約二年。
基本的には45号の記事の再掲ではあるが、まるっきりそのままではない。
田中一光氏の別荘Vハウスの写真(「コンポーネントステレオの世界 ’77」の写真)も併せて載っている。
記事の終りに「私のサウンドスペースを語る JBLとともに」がある。
この文章も基本的には45号と同じではあっても、まったくそのままではない。
(その23)引用した部分の続きといえる部分がある。
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部屋ができてみると、やはり視覚と音の両面からみて、ハークネスでよかったと思っています。おそらく4341ののびた低音は、この部屋では飽和してしまうでしょうし、第一、ルックスが全然合ませんよね。4341は、あの山中湖のスッキリしたデザインにむしろ合います。
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田中一光氏の部屋には、ハークネス以外のスピーカーで、これほどしっくり合うモノはないと思う。
ハークネス以外は考えられないほど似合っている。
この部屋のためにハークネスがあり、
ハークネスのために用意された部屋である、と思わせる。
こういう部屋は、他に見たことがない。
だからこそ45号で受けた印象はまったく色褪せることなく、
むしろ最初に見たときよりも輝いて見えてくるところもある。
私にとってステレオサウンド 45号について語るということは、
田中一光氏の部屋を語ることに、どうしてもなってしまう。
でも田中一光氏の《4341は何か大きなブックシェルフタイプといった音にきこえる》には、
ちょっとばかり反論したい気持もあった。
4341は4343の前身ではあっても、そんなことはないだろう……、と読みながら思っていた。
けれど、このことも後に納得していく。