Date: 11月 26th, 2015
Cate: 真空管アンプ
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五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(その10)

ここまで書いてきたことをまとめておくと、
五極管シングルアンプ製作を初心者向きとするならば、
ステレオよりもモノーラルで作ることを、まずすすめる。

出力管は、誰もが知っているポピュラーな球であれば、どれを選んでもいいと思っている。
出力管は三極管接続では私は使わない。
五極管接続かUL接続のどちらかで使う。

EL34だったらUL接続にするし、6F6や6V6などは五極管接続で使う。
五極管接続かUL接続かは、選んだ真空管によって違ってくる。

電源は、私は整流管を使う。
それから五極管シングルアンプではチョークコイルも必要と考える。

チョークコイルなしで平滑コンデンサーの容量を相当に増やすことを考える人もいるだろうが、
私はチョークコイルを使った方が、すっきりとまとまると考える。

電圧増幅段はどうするか。
五極管だから増幅段は一段あれば十分なゲインが確保できる。
双三極管を使えば、それぞれのユニットを左右チャンネルに振り分けることで、
電圧増幅段に使う真空管は左右チャンネル合せて一本にできる。

ただしそうするにはステレオ仕様で作るしかない。
モノーラルで作るのであれば、片側のユニットをあまらせるか、
並列接続にするか、SRPPにするか、もしくは二段目をカソードフォロワーにするか、などがある。

EF86などの五極管を電圧増幅段に使う手もある。
だが、いま簡単に入手できる電圧増幅用の五極管のクォリティが、どうにも信用できない。

ではどうするのか。
入力にトランスをもってきて電圧増幅段を省略してしまうという、
いわゆる単段アンプ(出力段のみのアンプ)も考えられる。
これが回路構成としてもっとも簡単なのだが、
入力トランスにいいかげんなモノをもってきたら、台無しになる。
いいトランスは、決して安くない。

こんなふうに考えてきて、ここでの初心者は、
いったいどういう初心者なのだろうか、と考えてしまう。

オーディオの初心者で真空管アンプを作るのも初めて、という初心者なのか、
それともオーディオ歴は長いけれど、これまでアンプを自作したことはない、という初心者なのか。

どちらの初心者なのかということもそうだが、
この初心者が、真空管アンプを作ったあとにどうしたいのか、も無視できないことである。

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