Beocord 9000というデッキ(その2)
B&Oの製品の型番は、Beoから始まる。
スピーカーシステムはBeoにvoxがついてBeovoxであり、
アナログプレーヤーはBeogram、レシーバーはBeomasterとなっている。
(カートリッジとヘッドフォンはそのかぎりではないけれど)
テープデッキはBeocordである。
いまでこそインターネットがこれほどまでに普及してさまざまな情報、
それも過去の情報も得られるようになったおかげで、
B&Oがテープデッキに積極的であったことを知ることができたが、
Beocord 9000登場当時、そんな情報はほとんどなかった。
ステレオサウンドの姉妹誌テープサウンドには、
もしかするとB&Oのテープデッキが取り上げられていたかもしれないが、
ステレオサウンドで取り上げられたことはなかったはずだ。
日本市場で市販されているオーディオ機器、アクセサリーなどを網羅したHI-FI STEREO GUIDEをみても、
B&Oのテープデッキは私の知る限りではBeocord 1900が載っていたくらいである。
日本におけるB&0のイメージといえば、
そのころはレシーバーのBeomasterとアナログプレーヤーのBeogramだった。
Beovoxは、そのころはまだフロアー型はなく小型のモノかブックシェルフ型のモノだった。
カセットデッキの型番をすぐにあげられる人は少なかったと思う。
ましてオープンリールデッキも手がけていたことは、私も知らなかった。
インターネットの普及のおかげで知ることができた。
そして驚いたのは、B&Oのカセットデッキのモデル数のおおさであった。
こんなに作っていたのか、と思ったほどである。
HI-FI STEREO GUIDEのバックナンバーをみても、Beocord 1700、2200が載っているくらい。
しかもB&Oのデッキが掲載されていないHI-FI STEREO GUIDEの号もある。
B&Oの輸入元はけっこうかわっている。
昔はゼネラル通商がやっていた。
それからアクステックシステム、イースト・アジアチック……と変っていた。
おそらく、その時々の輸入元の判断で輸入されなかったモデルがあったのだろう。
そういう状況でBeocord 9000があらわれた。
いきなり本格的なカセットデッキを、B&Oは出してきた、という印象に、だからなってしまった。