Date: 11月 16th, 2015
Cate: デザイン
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Beocord 9000というデッキ(その1)

以前、カセットデッキをいま手に入れるとしたら、ナカミチの680ZXだと書いた。
理由はそのときも書いているように、半速の録音・再生ができるからである。

私はカセットデッキ、カセットテープにあまり夢中になれなかった。
同世代のオーディオマニアだと、学生時代にはカセットデッキに夢中になっていた人がけっこういる。

彼らがナカミチのデッキに、当時にどれだけ憧れていたか、という話を聞くと、
へんな話なのだが、うらやましく思うこともある。
そんなに夢中になれなかったから、そう思うのであって、
彼らが抱くナカミチのデッキへの憧れは、私にはかけらもない。

その理由は、デザインでいいと思ったことがないからだ。
680ZXも、いいデザインとは思っていない。
ナカミチらしいデザインとは、それでも思っている。
誰がみても、他社製のカセットデッキと間違うことはない。

1980年にフラッグシップモデルとして1000 IIが1000ZXLとなったときも、
その価格(550000円)、機能、性能は、カセットテープでここまでやるのか、と思っても、
そこに熱さを感じることは、残念ながら私はなかった。

1000ZXLよりも680ZXの方が、使って面白そう、楽しそうと思っていた。
このころマランツは680ZXとは反対に倍速の録音・再生可能なデッキを出した。

カセットデッキ(テープ)に音質追求を望む人は、
半速の680ZXへの興味よりも倍速のカセットデッキへの興味があることだとだろう。
私は反対だった。

そんな私でも、ヤマハのTC800GLは、写真を見て、いいな、と思ったことがある。
カタログや広告ではマリオ・ベリーニによるデザインであることを謳っていた。

マリオ・ベリーニがどんな人なのかは、当時はまったく知らなかった。
ただ広告に書いてあることを鵜呑みにしていただけだ。
でも、TC800GLと同じように傾斜したスタイルをもつナカミチの600 IIよりも、
TC800GLは洗練されていて、マリオ・ベリーニは有名な人なんだろうな、と思っていた。

そのTC800GLも、スライド式のレベルコントロールのところにもっと精度感があれば……、
金属製であったらなぁ……、と価格を無視したようなことも思っていた。

カセットデッキに対して、常にどこか醒めていたところがあった私でも、
ひとつだけ、おぉっ、と圧倒されたモデルがある。
Beocord 9000だ。1981年ごろに登場したB&Oのカセットデッキである。

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