Date: 11月 13th, 2015
Cate: 世代
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世代とオーディオ(ガウスのこと・その12)

ステレオサウンド 81号では国産スピーカーにはない良さを認めながらも、
難点といえることについても語られている。

岡先生は《ちょっと頭がないと思うな》といわれて、
続けて菅野先生が《プロポーションがあまりよくないですね》と発言されている。

音に肉体の存在を感じさせるだけに、
その肉体のプロポーションが気になってくる、というわけである。

ただ、このプロポーションの悪さは、どこに起因しているのかははっきりとしない。
井上先生は新製品紹介の記事で、
《かなりデンオンしらいイメージに調整してあるようだ》と書かれている。

ここがひっかかってくる。
井上先生が新製品紹介の冒頭に書かれていること、
同軸型2ウェイ方式と3ウェイ方式について試作をして検討した結果、
同軸2ウェイをデンオンは選択したとある。

選ばれなかった3ウェイについて詳細はわかっていない。
けれどガウスのユニットで3ウェイのシステムを組むとなると、
トゥイーターは1502、スコーカーはHF4000は1981年ごろに製造中止になって、
かわりに4080が登場しているので、おそらくこれであろう。

ウーファーは5800シリーズがやはり1981年ごろに製造中止になっているので、
4500シリーズの中から、おそらく4583Fあたりということになろう。

なぜデンオンが同軸2ウェイを選んだ、その理由ははっきりとしない。
3ウェイ方式の試作品が、上記のようなユニット構成であれば、
ユニットの占めるコストは、同軸2ウェイよりも大きくなってしまう。
これも理由のひとつなのかもしれないが、3ウェイであった場合、
デンオンらしいイメージに調整することが、より困難であったのかもしれない……、そう思ってしまう。

もしかするとガウスの3ウェイの試作品は、プロポーションの悪さはなかったのかもしれない。
そんなことを思ってしまうには、もうひとつ理由がある。
SC2000の外観である。

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