世代とオーディオ(ガウスのこと・その7)
ステレオサウンド54号の特集では、
黒田先生、菅野先生、瀬川先生がガウス・オプトニカのCP3820を試聴されている。
三氏の試聴記はthe re:View (in the past)で公開している。
下記のリンク先をクリックしてほしい。
黒田先生は
《個々のサウンドのクォリティはかなり高いと思う。音のエネルギーの提示も、無理がなく、このましい》
と高く評価されている。
それでも《もし、音の風格というようなことでいうと、もう一歩みがきあげが必要のようだ。このスピーカーシステムの魅力ともいうべき独特の迫力を殺さず、全体としてのまとまりのよさを獲得するためには、使い手のそれなりの努力が必要だろう。》
とつけ加えられている。
もう一歩みがきあげが必要のようだ、は、つまりはオプトニカに対しての注文である。
ガウスのユニットのポテンシャルの高さは黒田先生の試聴記から伝わってくる。
けれどスピーカーは、個々のユニットの性能がどんなに高くとも、あくまでもシステムであるかぎり、
それだけでいい音が聴けるわけではない。
この当り前すぎることが、黒田先生の試聴記から読みとれるのではないだろうか。
だからこそ《使い手のそれなりの努力が必要だろう》とされている。
菅野先生の試聴記も、黒田先生の試聴記と基本的には同じと読める。
やはりガウスのユニットのポテンシャルは高い、と思いながら、当時は読んでいた。
それでも最後に《欲をいえば高音と低音の柔軟さだ》と書かれている。
CP3820はガウスのトゥイーター1502を購入して取りつければ,すぐに使えるように、
トゥイーター用のネットワークも内蔵されていたはずだ。
バッフルには取りつけ穴もある。すぐにも3ウェイにすることができる。
1502を加えた3ウェイであったならば、菅野先生の最後の一言は変っていたはずだ。