喫茶茶会記のスピーカーのこと(余談)
この項を読まれた方がfacebookにコメントをくれた。
その場にいて、私がどういうことをやったのか体験したかった、とあった。
11月4日、私は何度も椅子から立ちあがりスピーカーのところにいってちょっといじっては椅子に戻る。
そして音を聴く。
まだ立ち上がり、どこかをいじって椅子に戻り音を聴く。
これを何度も何度もくり返していた。
かなりの回数くり返していた。
それを傍からみていて、何をやったのかわかる場合もあるし、何をやったのかわからない場合もある。
どちらであっても、音は変化している。
何をやったのか、と訊かれれば隠すことなく話す。
出し惜しみする気はまったくない。
けれどただ見ているだけ(音を聴いているだけ)では、
音がなぜか変っていく、ケーブルやアクセサリーはいっさい使っていないのに、
音は確実に変っていっている、ということしか残らない、と思う。
使いこなしは、誰かがやっているのを見ているだけでは身につかない。
実際に自分でやってみないことには身につかない。
それは自分で考えてやるのもいいし、
たとえば私の指示でやってみるのもいい。
別に私でなくとも、使いこなしで一目置いている人が身近にいれば、
その人の指示でやってみるのがいい。
以前、audio sharing例会で、使いこなしをやってみてほしい、といわれたことがある。
使いこなしを身につけたいからであって、前に書いているように出し惜しみする気はないから、
試聴器材を揃えてくれれば、やりましょう、と答えた。
ただし、ひとつだけ条件をつけた。
持ち込んだ器材をセッティングして音を鳴らす。
これをやるのは私ではなく、使いこなしを身につけたい人がやる。
そして音を出して聴く。
その音から使いこなしは始まる。
どこをどうしていきたいのか、そのためにどこをいじるのかをやってもらう。
また音を聴く。
狙いがうまくいったのかそうでないのか、を答えてもらう。
その答えによって、またいじってもらうし、私がこうしたらどうか、という場合も出てくる。
これを何度もくり返していく。
このやり方でよければやる、と答えた。
そうしなければ使いこなしは身につかない、と私は考えるからだ。
結局、この話は立ち消えになってしまったが、
やはり一度やってみるのは意味のあることだと思う。
何も高価な器材でなくてもいい、
むしろセッティングを変えやすいブックシェルフ型スピーカーのほうがいい。
スタンド込みであれこれできることも、ブックシェルフ型が向いている。
アンプもセパレートアンプでなくともプリメインアンプの方が向いている、ともいえる。
それにCDプレーヤーかアナログプレーヤーがあればいい。
使いこなしを身につけたい、という人がいれば、いつかやってみたい。