Date: 10月 23rd, 2015
Cate: オリジナル, 挑発
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スピーカーは鳴らし手を挑発するのか(オリジナルとは・その2)

昨晩、JBLのハーツフィールドの外観だけをコピーしたスピーカーを作ろうと考えていた人のことを書いた。
私は、はっきりいって、こういうことは否定する。

だが一方で違う考え方ができる。
ハーツフィールドの外観だけそっくりのスピーカーを作ろうとしていた彼は、
少なくともオリジナルのハーツフィールドを手に入れて、
それに手を加えようとしていたわけではない。

その意味で、彼のことをオリジナル尊重者だとみることもできるし、
そう見る人もいると思う。

むしろ、私のように購入したオーディオ機器に手を加える者は、
オリジナルを尊重していない、けしからんやつだという見方もできる。

彼は彼なりにハーツフィールドを尊重しての考えだったのだろうか。
私には、どう考えてもそうは思えない。

私がオーディオに興味を持ち始めた1970年代後半は、
電波新聞社からオーディオという月刊誌が出ていた。
このオーディオ誌の別冊として、自作スピーカーのムックが何冊か出ていた。

スピーカーを自作するために必要な知識、実際の製作例の他に、
自作マニアの紹介のページもあった。

ここに登場する人たちは、JBLのパラゴンやハーツフィールドを自作するような人たちだった。
オリンパスの、あの七宝格子をコピーして自作のスピーカーに取りつける人もいた。

この電波新聞社のムック以外にも、
当時は、アマチュアとは思えない木工技術をもっているオーディオマニアが、
タンノイのオートグラフやその他のスピーカー・エンクロージュアをコピーしていた。

そんな人たちの中には木工を仕事とする人もいたようだが、
世の中にはすごい人がいるものだと、中学生の私は感心していた。

この人たちは、ハーツフィールドの外観だけをコピーしようとした彼とは違っていた。
この人たちの木工技術があれば、彼が計画していたスピーカーをつくることは造作も無いことだろう。
複雑な内部構造は無視して、外観だけをそっくりに作ればいいのだから。

けれど、この人たちの中に、そんなコピーともいえないコピーを作る人はいなかった。
少なくとも当時のオーディオ雑誌に登場する人の中にはいなかった。

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