Date: 10月 6th, 2015
Cate: James Bongiorno
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ボンジョルノとレヴィンソン(その9)

鮮度とは、新鮮さの度合と辞書にはある。
ということは音の鮮度とは、音の新鮮さの度合であり、
鮮度の高い音とは新鮮さの度合の高い音ということになる。

ここでの新鮮とは、どういう意味になるのか。
いままで聴いたことのない、新しい魅力をもつ音としての新鮮さもあれば、
肉や魚や果物などに使う場合の新鮮さとがある。

特にことわりがなければ、音の鮮度がいい、とか、鮮度の高い音という場合には、
後者の意味合いで使われる。

つまり、この意味合いで使われるのは、実演奏での音(コンサートホールでの音)ではなく、
スピーカーやヘッドフォンから鳴ってくる音に対して使われる。
再生音にのみ使われる。

肉や魚、果物などの鮮度がいいという場合には、
それらの肉や魚はすでに死んでいるからこそ、鮮度がいいとか悪いとかいう。
果物にしても、すでにそれらがなている木から捥ぎ取られているからこそ、
鮮度が高いとか悪いとかを気にするわけだ。

再生音も、いわば捥ぎ取られた音といえるし、
すでに死んでいるともいえる。
こんなことを特に意識していなくとも、オーディオに夢中になっていれば、
そのことは無意識のうちにわかっているのであろう、だから音の鮮度ということが気になる。

だが、ここで音の鮮度とは、もうすこし違う意味合いがあることに、
GASのTHAEDRAをボンジョルノのパワーアンプにつないで聴いた者は気づくのかもしれない。

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