オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(その10・さらに余談)
ラックスのPD121。
この素敵なターンテーブルに似合うトーンアームは、やはりSMEの3009ということになる。
多くの人がそう感じていると思うし、
ラックスもSMEの3009 SeriesII Improvedを推奨アームとしていた。
PD121のトーンアームベースは六種類用意されていた。
TB-S、TB-G、TB-GS、TB-GM、TB-O、TB-Uであり、
標準品として付属してくるのはTB-S、つまりSME用である。
1975年にステレオサウンドから出た「世界のオーディオ」ラックス号に、
ラックス製品に関する質問と回答というページがある。
そこにPD121、PD131とマッチするトーンアームは何か、という質問に対して、
次のような回答が載っている。
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性能的にいえば、良く出来たアームであれば、別段どれが相性が良く、どれが悪いということはありません。しかし、デザイン的にいえば、元来シンプルなデザインの本機だけに、アームのデザインによっては全体を生かしも、また、殺しもします。アーム1本で全体の表情が全く違ったものになります。そういった意味からすればSME300/S2 Improvedが最適で、販売時点ではSME用のアームベースを付属してお手元にお届けするようになっています。
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メーカー推奨の組合せのもつ良さ。
オーディオの組合せは自由なだけに、
PD121と3009 SeriesII Improvedの組合せのもつ良さも知ってほしいと思うし、
忘れてほしくないとも思う。
アナログプレーヤーにおける主役は、やはりレコードだと思う。
そのことをPD121と3009 SeriesII Improvedの組合せを思い出させてくれる。