Date: 5月 26th, 2015
Cate: 五味康祐
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続・長生きする才能(その4)

嫌われ愛想をつかされてしまう。
これしかないのではないないか、と思った。

最初のうちは周りの人も、たいへんな病に、それも不治の病なのだからと、
どんなわがままもイヤな顏ひとつせずにきいてくれるだろう。

けれどそれが一週間や一ヵ月ではなく、何年も何年も続いていくとしたら、
見放す人がひとりひとり増えていくのではないだろうか。

どんなに有名人であっても、素晴らしい音楽を奏でてきた人であっても、
いつ終るともしれぬわがままが、それも感謝の気持が示されることなく続いていくのであれば、
周りから人は去っていく……。

そんなことをおもっていた。
そうすれば自殺できるかもしれない。
時間はかかる。

ほんとうは感謝の気持をもっているのに、
それを抑え込んでわがままを押し通す。
健康な人であっても、こんなことをずっと続けていたらそうとうにしんどいはずである。

それをベッドの上から自力では起き上がれない人がやり続ける。

これは私の勝手な想像でしかない。
けれどジャクリーヌ・デュ=プレのような人が自殺を考えたとしたら、
これ以外の方法が私には思い浮ばなかった。

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