想像は止らない……(その1)
オーディオの楽しみの、少なからぬ部分は想像だと思っている。
オーディオに興味を持ち始めたばかりのころ、
ステレオサウンドの記事を読んでは、
そこに登場しているオーディオ機器の音を想像していた。
どのスピーカーが自分に合うのだろうか、アンプは……、カートリッジは……、と想像する。
オーディオはコンポーネントだから、組み合せなければ音は出ない。
だから組合せもあれこれ想像する。
組合せを想像しては、どんな部屋が似合うだろうか、とまた想像する。
どういう置き方をしたらいいのか、具体的なことも想像してみる。
とにかくオーディオに関する想像は始めたら終りがない、ともいえる。
想像はそれだけではなく、こんなことも10年以上前から想っている。
洋楽にはカバーアルバムというのがある。
ならばオーディオ機器にも、カバーモデルというのがあってもいいじゃないか、とおもう。
カバーモデルとは、あまりいい語感ではないから、オマージュモデルとでもいおうか。
そういうモデルが登場してきてもいいのではないか。
たとえばJBLのパラゴン。
パラゴンのオマージュモデルを、他のメーカーが出すということを想像していた。
いまはもう創業者のフランコ・セルブリンが離れ、
しかもフランコ・セルブリンが亡くなってしまっているからもう望めないが、
フランコ・セルブリンがいたころのソナスファベールがパラゴンのオマージュモデルをつくったら……。
パラゴンのオマージュモデルということで、まっさきに浮んだのはこれだった。