五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(余談・KT120のこと・その1)
「五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか」について書いていると、
いま五極管シングルアンプを作るとなったら、どんなアンプにするかも考えている。
いわゆるラジオ球を使って小さくまとめるのもいいけれど、
もし作るのでなあれば、しっかりと使えるアンプとしたい、という気持もある。
となると出力もある程度は欲しい。
300Bシングルアンプが約8Wだから、それよりも大きな出力としたい。
20W程度あれば、私の場合、十分である。
それからいくつかの条件がある。
あまり高価な球、入手がめんどうなモノは避ける。
それから出力管の寿命は長い方がいい。
他にも細かな条件はいくつかあるが、それらを勘案して選ぶとなると、Tung-SolのKT120となる。
マッキントッシュのMC275、マイケルソン&オースチンのTVA1、ジャディスのJA80などに使われたKT88、
それでもいいじゃないかと思うけれど、
あくまでも私個人の印象で裏付けは特にないのだが、どうもKT88という球は寿命が短いような気がする。
いま入手できるKT88はそうではないのかもしれないが、
以前のKT88に対する印象は、私の場合、そうである。
KT120という型番からもわかるように、KT88のプレート損失43Wをこえる60Wのビーム管である。
最大定格での動作時にはA級シングルで25Wの出力が得られる。
KT120の上にKT150という球もあるけれど、こちらは形が気にくわないので、
私にとってはKT120ということになる。
このKT120という球を、私は五極管接続で使う。