Date: 12月 11th, 2010
Cate: 名器
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名器、その解釈(その1)

「名器」と呼ばれるモノが、どんなジャンルにおいてもある。
もちろんオーディオにも、名器と呼ばれたモノは、いくつもあった。

名器と呼ぶにふさわしいオーディオ機器とは、いったいどういうものなのだろうか。
一流品、高級品と呼ばれるものが、名器とはかぎらない。
名器は一流品ではあっても、必ずしも高級品(高額品)ではない。

あれは名器だ、といったことを口にすることもあるし、耳にすることもある。
納得できるときもあれば、口に出して反論はしないまでも首を傾げたくなるときもある。
私が名器としているモノを、ある人はそうは受けとっていないかもしれないし、また反対のこともある。
そういうモノは、果して名器と呼べるのか。
すくなくとも名器と呼ばれる以上は、私も他の人も、ほとんど多くの人が認めるモノでなくてはならないのだろうか。
そんなモノ、そういう名器は存在してきただろうか。

そして、ずっと名器の名を欲しいままにしてきたモノは、あるのだろうか。

1978年の暮に出たステレオサウンド 49号の特集は”State of the Art” 賞だった。
その2年前の41号で、コンポーネントステレオ 世界の一流品、という特集をやっているのが、
49号の前身ともいえる。

State of the Art は数年後に Component of the year 賞に名称がかわり、
さらにステレオサウンド・グランプリとなり、現在も年末に出る号の特集として定着している。
これらの号で取り扱っているのは現行製品だけだが、49号のすぐあとに出た50号は、
ステレオサウンド創刊50号記念特集として、栄光のコンポーネント 旧製品 State of the Art として、
過去の製品、スピーカーシステムではJBLのハーツフィールド、タンノイのオートグラフ、
エレクトロボイスのパトリシアン600、マランツ、マッキントッシュの管球アンプ、
ガラード301にトーレンスTD124、ノイマンのDSTなどが選ばれている。

この50号に登場するモノは、ステレオサウンドの筆者が選んだ「名器」といえる。

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