オーディオ入門・考(その5)
オーディオに限らず、入門書といえば軽く見られる傾向がある。
入門書には、オーディオの入門書ならば、オーディオという趣味に読み手を招き入れれば、
それでその入門書の役目は終ってしまうのか。
今回のステレオサウンドから出版された「アナログレコードはじめてBOOK」は、
アナログディスク再生の体験がない人(読み手)を、
アナログディスク再生に関心をもたせ、アナログプレーヤーを購入させ、
アナログディスク再生を行わせれば、それで十分ということなのだろうか。
入門書は読み捨てられていくのか。
私にとっての入門書「五味オーディオ教室」は、ボロボロになっているけれど、
いまも手元にある。すぐに手の届くところにおいている。
オーディオ関係の雑誌、書籍は引越しのたびに処分していった(処分せざるを得なかった)。
「五味オーディオ教室」よりも、専門的な技術的なことが書いてあった本も手離した。
それでも「五味オーディオ教室」はずっと持っている。
最初に買った本を、いまも持っている。
もう38年経っている。
おそらく最後まで持っている入門書である。
「五味オーディオ教室」の入門書としての役目は、
私についてはもうすでに終っている、といえる。
「五味オーディオ教室」で私はオーディオにどっぷりつかってしまっているのだから。