Date: 12月 7th, 2014
Cate: アナログディスク再生
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電子制御という夢(その29)

1970年前半の話である。
ある国内オーディオメーカーのアナログプレーヤーはOEMだった。
自社開発・製造のアナログプレーヤーのために、その会社のスタッフは、
自社アナログプレーヤーのユーザー宅を全国訪ねていった。
そして直接ユーザーの声を集めていった。

けれど、そうやって得られた声は、
その会社のアナログプレーヤーの長所、短所といったところに留まっていたのではないだろうか。
テクニクスの人たちが、どういうプレーヤーが望ましいか、を世界中の人たちに聞いてまわっても、
現在あるものを対象にしたものばかりしか得られなかったのと同じではないだろうか。

中には、こういうプレーヤーが欲しい、とはっきりとしたプレーヤー像を持っている人もいるかもしれない。
だが、そういう人はごくまれである。

そういう人と出会えたとしても、その人にとっての答が、そのままそのメーカーの答になるとはいえない。

テクニクスの人たちが自分たちで答をさがしたように、
そのメーカーの人たちも結局は自分たちで答をさがすしかなかったはずだ。

問題解決とは、そういうものでもあるはずだ。

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