Date: 12月 3rd, 2014
Cate: アナログディスク再生
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電子制御という夢(その25)

電子制御トーンアームについて書いてきていて思い出すのは、
なぜテクニクスが電子制御トーンアームを出さなかったのか、である。

1980年ごろ、ソニー、ビクターと続いて電子制御トーンアームが出てきていたのをみて、
テクニクスも出すんだろうな、と思っていた。
けれどテクニクスからは出てこなかった。
その時は、なぜだろう? とは考えなかった。

いまは、なぜだろう?と 思う。
テクニクスの技術があれば、電子制御トーンアームを製品化するのはさほど困難なことではなかったはず。
テクニクスも、アナログプレーヤーの開発には力をいれていた会社である。

なぜ、テクニクスからは電子制御トーンアームが出なかったのか。
はっきりとした理由はわからない。
けれど、ソニーから電子制御トーンアームが登場したころ、
テクニクスはSL10というアナログプレーヤーを出している。

SL10はLPジャケットサイズのアナログプレーヤーだった。
価格は100000円。
MC型カートリッジ(EPS310MC)を搭載し、ヘッドアンプも内蔵していた。
トーンアームはリニアトラッキング型で、サイズをコンパクト化するために上蓋に装着されていた。

SL10の上蓋は、いわゆるダストカバーではなく、トーンアームの他にスタビライザーもついていたし、
操作ボタンもついていた。
ダストカバーは閉じなくてもアナログディスク再生は可能だが、
SL10の上蓋は閉じなければ再生はできなかった。

SL10はフルオートプレーヤーであることからもわかるように、
SL10のリニアトラッキングアームは電子制御されている。

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