Date: 11月 19th, 2014
Cate: 夢物語
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オーディオ 夢モノがたり(その8)

ナガオカ/ジュエルトーンのリボン型カートリッジの内部構造はサテンのMC型に似ているといっても、
ナガオカ・ブランドで出していたNR1とジュエルトーン・ブランドのJT-RIIIとでは、
リボンの配置と、リボンにカンチレバーの振動を伝えるアーマチュアの形に変更が見られる。

NR1はV字型のアーマチュアがありその両端にリボンが取り付けられている。
リボンはカートリッジの内部の左右両側に前から後に伸びるように配置されている。

リボンとはいうもののNR1では、実際に使われていたのは0.025mmφの銅線である。
乱暴な説明をするとMC型カートリッジのコイルをほどいて一本の銅線にした、ともいえる。
そのため銅線の長さはコイルに比べてかなり短くなる。
ローインピーダンス、低出力にどうしてもなってしまう。

ジュエルトーン・ブランドになると、アーマチュアが基本的にV字型であることに変りはないが、
大小ふたつのV字を組み合わせた形状、
つまり小さなV字に、大きなV字が上下逆に覆い被さるような形状である。

JT-RIIIもNR1同様、リボン型といっても実際には銅線で、
出力電圧を稼ぐために片チャンネルあたり2本になっている。
この銅線は上下逆のV字型アーマチュアに取り付けられている。

NR1とJT-RIIIではリボンの配置が水平か垂直かの違いがあり、磁気回路も異る。
JT-RIIIの出力電圧は0.04mV(5cm/sec, 1kHz)と、やはり低い。
JT-RIIIと同時代で出力電圧が低かったオルトフォンMC30の半分しかない。

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