Date: 11月 19th, 2014
Cate: 素材
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羽二重(HUBTAE)とオーディオ(その10)

羽二重=HUBTAEに、まず右手の人差し指でふれた。
布地の専門の人ならば、もっと違う触り方があるのかもしれないが、私はそうではない。
対象が布であろうと紙であろうと、その他の素材であろうと、
まず感触を確かめるのであれば右手の人差し指でふれる。

それから親指と人差し指で羽二重=HUBTAEの表と裏にふれ、指の腹をこすりあわせるようにする。
次は人差し指、中指、薬指で撫でる、両手の手のひらではさみこんでみる。

こうやって羽二重=HUBTAEの感触を確かめてきた。

羽二重=HUBTAEの上に指を置く。
ひとつ前に書いた映画「舟を編む」での紙のぬめり感についてのシーンでも、指を置く。

指を辞書のページの上に置く、羽二重=HUBTAEの上に置く。
そのことで対象物の、いわば領域に指が入ってきたことになる。

羽二重=HUBTAEの発表会では、羽二重=HUBTAEは平面の台に置かれていたわけではなかったが、
たとえば羽二重=HUBTAEが平面の台に置かれているとする。
きれいに伸ばされた状態で置かれている。

それをじっと見ていても、質感はある程度は伝わってくる。
この状態では、視覚的に羽二重=HUBTAEの上に指はない。
ふれようとして指を近づける。視界に自分の人差し指が入ってくる、
指の侵入なのかもしれない。そしてふれる。

指でふれる、ということは、そういうことだと思うようになってきた。

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