新製品(その11)
そうなると気になってくることがあった。
ステレオサウンド 54号の瀬川先生の4343Bの試聴記の最後にある。
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音量を絞り込んだときの音像のクリアネスでは、旧型がわずかによいのではないか。
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これが気になってきた。
54号を読んだときにすでに、すこし気になっていたけれど、
それはBタイプの「ふっくら」と引き替えに、ということで納得できていた。
けれどPM510と4343という、一体いつになったら実現できるのかわからないことを夢想しはじめると、
フェライトの4343Bよりもアルニコの4343こそが、私にとって、ということ以上に、
PM510といっしょに使うスピーカーとして、
音量を絞り込んだときの音像のクリアネスのよさは、よりよいのではないか、と。
アマにこの4343はなくなってしまう。買えないわけだ。
だからウーファーの2231Aとミッドバスの2121だけでも、なんとか買っておこうか、と考えたこともある。
4343と4343Bの違いは、ウーファーとミッドバスだけの違いであり、
エンクロージュアもネットワークも同じである。
正確にはレベルコントロールの表示が4343BではdB表示に変更されている。
とにかく数年後に4343Bをなんとか手に入れるとして、
そのときにウーファーとミッドバスをアルニコのユニットに換装する。
そうすれば新品のアルニコの4343を手に入れたのと同じになる。
これも高校生の私には実現できなかったプランである。
こんなことを夢想しながら、あのころはステレオサウンドを読んでいた。