新製品(その10)
4343と4343B。
ステレオサウンド 54号の記事を読みながら、目標は4343Bへと変っていった。
いますぐ買えるのであればどちらにするのかはわからないけれど、
早くても数年後であれば、4343Bということになる。
けれど半年後のステレオサウンド 56号。
ここにロジャースのPM510が登場している。
瀬川先生が書かれている、その記事を読んでいて、
やっぱり4343Bではなく4343かも……、と思いはじめていた。
PM510という新製品は、このスピーカーに惚れたということだけではなかった。
瀬川先生はKEFのLS5/1A、それにJBLの4341の両方を鳴らされていた。
4341は4343になり、最後は4345になっている。
私も……、と当時思っていた。
LS5/1Aは入手できない。
そんなところにPM510が出て来た。
PM510と4343。
実はこれが目標であった。
瀬川先生のPM510の試聴記を読めば、ここにも「ふっくら」とした魅力があることが伝わってくる。
同じ「ふっくら」でもPM510と4343Bのそれとでは同じではないことはわかっている。
わかっていても、PM510も目標となると、
そしてPM510と4343の両方を鳴らすのであれば、4343Bよりも4343のほうが、
両者の個性が際立つのではないか、そんなことを想像していた。
どちらもすぐには買えないのに、だ。