2014年ショウ雑感(オーディオ・ジャーナリズム・その2)
試聴は、試聴と呼ばれる取材である。
つまり試聴室は、取材の現場といえる。
そこにいるのは試聴者と試聴のための準備をする者である。
一般的に、試聴者はオーディオ評論家と呼ばれている人たちである。
まれに読者参加ということで、オーディオ評論家以外の人が加わることもあるが、
この人たちはあくまでもアマチュア代表ということだから、
ここでのオーディオ・ジャーナリズムからは除外しておく。
オーディオ評論家は、試聴室で鳴っている音を聴き、メモを取る。
辞書には、記事・制作などの材料となることを,人の話や物事の中から集めること、とあるから、
試聴はまさに取材でもある。
このとき編集者は何をしているのか。
まず試聴のための準備をする。
必要となる器材を集め、アンプやCDプレーヤーといった電子機器であれば、
あらかじめ電源をいれておきウォームアップをさせておく。
試聴が始まれば、試聴対象となるオーディオ機器を試聴室にいれて設置・接続。
それまで聴いていたオーディオ機器を試聴室の外に運び出す。
これを何度もくり返し行う。
場合によっては試聴ディスクのかけかえ、レベルコントロール操作といったオペレーションを行う。
試聴という取材が滞りなく運ぶためである。
ここでの編集者の働きは、どうみても取材とはいえない。
試聴室という現場に編集者もいるわけだが、取材をしているとはいい難い。