Date: 10月 24th, 2014
Cate: ジャーナリズム,
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賞からの離脱(その43)

AU-D907 Limitedが届いた日、
箱から取り出してラックにセット。
ケーブルの接続を行ない、電源をいれる。

これがState of the Art賞に選ばれたプリメインアンプだ、
State of the Art賞を受賞したオーディオ機器を、私も手に入れた、
そんなふうに喜んでいた。

ケンウッドのL01Aも、State of the Art賞にノミネートはされていた。
もしL01Aも選ばれていたら、アンプの買い替えは先延ばししてL01Aを買ったかもしれない。

ステレオサウンド 53号で、AU-D907 Limitedについては菅野先生が書かれている。
     *
例えは悪いかもしれないが、新製品にはどこかよそよそしい、床屋へ行きたての頭を見るようなところがある。きれいに整ってはいるが、どこか、しっくりこないあれだ。AU-D907リミテッドにはそれがない。刈ってから一〜二週間たって自然に馴染んだ髪型を見るような趣きをもっている。中味を知って、音を聴けば、一層、その観が深まるであろう。
     *
自分のシステムで聴くState of the Art賞のプリメインアンプの音は、
まさにこんな感じでスピーカーを鳴らしてくれた。

いまふり返れば、あの時、ふたつのプリメインアンプを比較試聴していたら、L01Aを選んでいたはずだ。
買えるかどうかは別にしても。
だから聴かずに買って良かった、と思う。
AU-D907 Limitedはいいアンプだった。

ようするに私は、State of the Art賞によって、
聴いていない(聴く機会のなかった)ふたつのプリメインアンプに対して格付けを行っていたのだ。

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