2014年ショウ雑感(その10)
ステレオサウンドにいたころ一度だけ開催前の国際見本市会場に入ったことがある。
オーディオフェアのブースの準備期間中である。1982年のことだ。
前年が私にとってはじめてのオーディオフェアだった。
会場の、開催期間中の雰囲気は知っていたけれど、準備期間中の雰囲気には圧倒されてしまった。
そこにいる人たちは施工業者や出展社の人たちばかりである。
こういう場がはじめての者は、どうしたらいいのかわからなくなってしまうほど、
それまで見たことのない光景がそこにはあった。
当り前のことなのだが、オーディオフェアのような規模の展示会では、
準備期間もそれだけ必要となる。
いったい何日間だったのだろうか。
そして約1週間の開催。フェアが終了すれば撤去作業が始る。
撤去も一日で終っていたとは思えない。
オーディオフェアにはコンパニオンもいた。
彼女たちの服もメーカーが用意する。
カタログもかなりの量、用意する。
その他にもこまごまとしたものが必要となっていたはずだ。
あのころ大手のオーディオメーカーの出展費用の大きさ。
それだけかけているからこその、独特の熱気がオーディオフェアにはあった、といまになって感じている。