2014年ショウ雑感(その9)
アキュフェーズ(当時はケンソニック)の創立者である春日二郎氏の著書「オーディオ 卓美のこころを求めて」に、
こんな記述がある。
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オーディオ・フェアが10月24日から開かれるが当社は出品しない。これには数百万円の費用がかかり、それだけの効果が期待できないこともあるし、今の当社にはそれだけの経費は負担できない。「出さない話題性」も有効だし、アキュフェーズは別格だというイメージを作り出したい。
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1975年に書かれている。
数百万円が、二百万円なのか五百万円なのか、それとももっと翁金額なのか、そこまではわからない。
それに1975年はいまから約40年前である。
当時の物価で考えれば、かなりの金額なのだろう。
ステレオサウンドの1980年のオーディオフェアの別冊をいま見ているが、
アキュフェーズ(ケンソニック)の名前はない。
1975年からオーディオフェアには出ていなかったか。
オーディオフェアの、このころの規模は大きかった。
1981年は招待日を含めて六日間(ただこれは会場の都合で前年より二日短くなってのことだ)。
つまり一週間ほど開催されていた。
各社、晴海の国際見本市会場にブースを設置する。
メーカーによってブースの広さは違う。
アキュフェーズが1975年以前はどのくらいの広さのブースだったか知らないが、
おそらくそう大きくはなかったと思われる。
それでも1975年の時点で数百万円である。
1981年ごろ、国内メーカーの大手は、この一週間のために、どれだけの費用を用意していたのだろうか。