TDK MA-Rというデザイン(その6)
MA-Rはツメにあたる部分が赤くなっていて、スライドするようになっていた。
ツメを折るではなく、スライドさせれば録音はできなくなるし、元に戻せば録音可能になる。
細かなことではあるが、MA-Rの、この機構も見事だと思ったし、細部も疎かにしていない。
しかも赤くなってると書いたが、赤はC60テープで、C46は青、C90は緑に色分けされていた。
まさにReference Standard Mechanismといえよう。
川崎先生は、MA-Rがカセットテープの最終形態だといわれている。
そう思う人は多いだろう。
MA-R以前にこんなカセットテープはなかった。
MA-R以後も同じだ、MA-Rに匹敵するカセットテープは出てこなかった。
いまカセットテープ、カセットデッキに凝ることがあれば、MA-Rを使いたい。
なんとか探し出してきてでも、このテープを使いたい。
メタルテープが登場したときは高校生だった。
メタルテープ対応デッキは買えなかった。
ステレオサウンドで働くようになってからは買えたけれど、カセットデッキ、テープへの関心は薄れていた。
だから聴いたことはあるが、個人的にメタルテープは使ったことがない。
そんな私がいまごろになってMA-Rについて項をたてて書いているのは、
9月13日の川崎先生のブログ『K7の最高機種デザインはAurexデザインだった』を読んだからである。
そこにMA-Rの写真があった。