Date: 9月 13th, 2014
Cate: デザイン
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TDK MA-Rというデザイン(その1)

ステレオサウンド 51号に東京電気化学工業の広告が載っている。
東京電気化学工業のブランドはTDKで、同社初のメタルテープ、MA-Rの広告だった。

MA-Rの広告を初めて見たのは51号だったのか、
そのころはFM誌も他のオーディオ雑誌(月刊)も買っていたから、ステレオサウンドではなかったかもしれない。

とにかくMA-Rの広告に載っていた写真を見て、どきっ、としたことはいまでもはっきりと憶えている。

トランスルーセントに、亜鉛ダイキャストのハーフ。
それまで見慣れていたカセットテープの印象とはまったく違っていた。
クリアーだった。

メタルテープの登場は少し前からオーディオ雑誌でも話題になっていた。
カセットテープの枠をさらに拡げただけでなく、
おそらくメタルテープの登場がエルカセットにとどめをさしたともいえる。

TDKはメタルテープの発売にあたって、まずMA-Rを、それからMA(通常のプラスチック製ハーフ)を出した。
他のメーカーであれば、逆だっただろう。
まずMAを出して、その上位版としてMA-Rを華々しく登場させる。

だがTDKは違っていた。
だからこそMA-Rは、いまでもその登場が印象に残っている。
こんなカセットテープはTDKのADくらいである。

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