サイズ考(その10)
ロジャースのLS3/5AとセレッションのSL6、どちらもイギリスで誕生した、いわゆる小型スピーカーだが、
LS3/5Aが可搬型モニタースピーカーとして、サイズ自体の設定から開発が始まったのに対し、
SL6は、技術者が求める性能を満たすために必要な仕様として、逆にサイズが割り出されたものであること、
最初から小型スピーカーとして開発が始まったわけではない、という点が、
開発年代の違いとともに、2つを比較すると浮び上がってくる。
セレッションはSL6の開発にあたり、従来の開発手法を用いるのではなく、
技術部長のグラハム・バンクが数年前から取り組んでいたレーザー光線とコンピューターによる
スピーカーの振動モードの動的な解析技術を導入している。
この解析法で、スピーカーユニットの振動板の形状から素材まで徹底して調べ研究することで、
ユニットの口径・構造、システム全体の構成、エンクロージュアの寸法まで決定されている。
SL6は小型スピーカーをつくろうとして生れたきたものではなく、
セレッションが、当時の、持てる技術力で最高のスピーカーをつくろうとした結果のサイズである。
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BBC LS5/8(Rogers)ユーザーから一言
28年程前に購入、今でもLS5/8愛用中のユーザーです。QUAD405+チャンデバ内臓AM8/16アンプは購入後、10年経過でコンデンサーパンク。基板もダメージを受け、当時オーデックスジャパンで修理を頼み、戻って返って来た時には、アンプ基盤はQUAD405IIに変更状態。5年経たない内にハム音、発振ノイズが気に障り修理に出そうとした所、オーデックスジャパンは無くなっていた。仕方なく、自力で修理を行い何とか音が出る状態を維持しましたが、WEBサイトでQUAD405の後継機AM8/20になるまでのBBCレポート中にYAMAHA製PM2005が候補に挙がっていた記事を発見。LS5/8に関する回路図を手に入れていた事、安田オーディオラボの技術的アドバイスをいただけた関係でチャンネルデバイダー回路を自作復刻。併せて、YAMAHA PM2005Mを購入、最後に、チャートウェルLS5/8ユーザーのところで音合わせを行いようやく最近になって落ち着いて聞ける状態となりました(もちろんオリジナルは正常に稼動していますが)。
私のようなケースは稀の部類かもしれません。BBC系の音質をこよなく好む人種が居ることを、そしてBBCの音に関する基礎技術は50年程前に出来上がっていて今日でも充分通用する(むしろ感性の点ではずば抜けている)グレードであることをお伝えしたく
メールいたしました。(長文多謝)
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西脇さま、コメントありがとうございます。
40万の法則を最初に主張したのは、BBCの人だそうです。
タイムロードが輸入しているRAIDHO Acoustics の設計者マイケル・ボールセンは、
スピーカーの開発に当たって、まず周波数特性をフラットにするのは当然。
しかし、それだけでは満足できる音にはならず、ヴォイシングが必要であり、
いろいろ試した結果、BBCモニターを参考にしたという話を、1カ月ほど前に聞きました。
BBCモニターの大半のスピーカー同様、
500Hz前後を数dB持ちあげ、3kHzあたりを逆に数dB下げているそうです。
いま3機種だしていますが、機種により、レベルは多少変えているそうですが、
基本的には同じ周波数特性に仕上げているとのこと。
BBCモニターの音を、ある部分、継承するスピーカーエンジニアが、
イギリス以外の国にいること(しかも彼はまだ若いそうです)は、
頼もしくもあり、嬉しいことでもあります。
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返信有難うございました。
こちらのサイトは、オーディオに関して懐かしい記憶、且つ、各オーディオ雑誌からは知り得なかった裏話等盛り込まれていて、最近特にアクセス回数が増えています。
さて、次のサイトでLS5/1,LS5/8、LS5/9、LS3/5等の技術資料、情報を垣間見ることが出来る事は既に御存知のことと考えています。
”http://downloads.bbc.co.uk/rd/pubs/reports/rpt60s_70to96.pdf”
”http://www.mhennessy3.f9.co.uk/rogers/ls58.htm”
LS5/8に関して、20年ほど前に、名古屋市内のオーディオフェアーで、
直接リチャード・ロス氏から教えてもらったこととして、
KEF105のリニアフェーズ方式と、LS5/8チャンネルディバイダー回路部分で、
位相回転させ、ウーファーとトゥウィーターの音源位置をバッフル面に関係なく
同一位置に設定させ、リニアフェーズ化している話をメモ帳に書き記されたものが
見つかりました。
実際に、復刻作業時の回路特性も、LF/HFは逆相状態となっています。
併せてLF回路における低域のブースト量と高域カットオフ周波数の違い、
+SP本体のHF部にアッテネーターとカップリングコンデンサーの存在が
音質を決定している事もチャートウェルとロジャースの造り込みの違いとなって
反映しているようです。
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西脇さま
チャートウェルのPM450E(LS5/8)をお持ちの方が身近にいらっしゃるのは、正直うらやましいです。
日本に入荷したのは数ペアだと聞いています。
なので実物を見たことはありません。
オーデックスのYさんの話だと、チャートウェルとロジャースは、けっこう違う音だそうです。
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度々メールいたします。
個人的に、私はこちらのサイトを汚すつもりは更々ありません。
BBCモニターSPについて共通認識していただける方と受止め送信いたしました。
正規代理店経由の国内納入セット数は以下の通りです。
チャートウェルのPM450E(LS5/8):4セット(幻の・・と言われるはずです)
ロジャースLS5/8:43セット
私は34番目のオーナーであることをオーデックスのYさん、Sさん
より教えてもらいました。
およそ30年程経過している事実からも、現存するLS5/8は何セットか
個人的に興味を持っています。
AM8/16:QUAD405(AorII)を現役で使っている可能性は低いかも知れません。
私の様に、チャンネルディバイダー部分を復刻させ、アンプを別の製品で使っ
ているかもしれません。(オリジナルでは無い=LS5/8では無いと指摘され
ても致し方ないですが・・・・)
最後に、LS5/8の音質の違いですが、女性に例えれば
チャートウェル:20代後半から30代前半の独身モデルさん
ロジャース:20代から40代位のぜい肉がちょっと気になる女性(?)
しかし、プリアンプによって音質はガラット変わってしまうので
一概に決め付けはできません。
実際に、チャートウェルのオーナーは、LNP2LからJRDシナジーへ、
私の場合、ML-6からオーディオデザイン社の特注プリと変更しています。
(ロジャースのふっくらとした傾向からチャートウェルのきりっとした音質を
望んで居るのかも知れません)
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西脇さま
やはりチャートウェルのPM450Eの入荷数は、極端に少ないんですね。
1セットは、ペンションのオーナーがお持ちで、そのペンションで音は聴けるようです。
ロジャースのスピーカー部門の責任者のリチャード・ロス氏は、
オーデックスのY氏によると、男色家でもあるそうで、そのあたりの嗜好が音に出ているのかもしれません。
よいお年をお迎えください。