電子制御という夢(その9)
マイクロからSX8000IIが発表された。
前作SX8000がエアーフロートによるベアリングを採用、
II型になりレコードの吸着機構も搭載されるようになった。
外観もずいぶん変った。
SX8000はステレオサウンド試聴室のリファレンスプレーヤーとなることはなかったが、
SX8000IIはすぐさまリファレンスプレーヤーとして常備されることになった。
SX8000IIが、私にとって初めて実際に触るレコード吸着のプレーヤーシステムだった。
SX8000IIは外部に専用ポンプもつ。
けっこうな大きさで、このポンプ一台でターンテーブルプラッターを浮かし、レコードの吸着も行う。
もちろん電動ポンプである。
電動ポンプという点ではビクターのTT801+TS1と共通するが、
ビクターが常時レコードを吸着しつづけているのに対し、
マイクロは吸着が完了したら、そのためにポンプは動作しない。
ターンテーブルプラッター浮上のためのみに働く。
ビクターでは吸着力はレコード盤は重量換算で4kgぐらい(レコード盤全体で4kgくらいの荷重)、という。
それほど強い吸着力ではないため、吸着を解除しなくともレコードを難なく取り外せるらしい。
ラックスは50kgぐらい、で、吸着を解除しないとレコードは取り外せない。
マイクロはどのくらいの吸着力なのかはわからないが、かなりのものである。
一度吸着してしまえば、レコードを取り外すためには吸着を解除しなければならない。
これだけの吸着力のおかげで、多少の反りがあってもぴたりとターンテーブルプラッターと一体化する。