アナログプレーヤーの設置・調整(その13)
アナログディスクの溝の拡大写真を見ると、
フォルテッシモの箇所ではカートリッジの針先が左右に大きく振られるように思えるほどだが、
実際にアナログディスクを肉眼で見ていると、
ディスク全体に濃淡は感じられても、溝がそれほどうねっているようには見えない。
それほどにアナログディスク(LP)の溝は細い。
だからこそSPからLPになったとき、収録時間が大幅にのび、LPの溝のことをマイクログルーヴとも呼ぶ。
こんなことを考えてみる。
SPではアクースティック蓄音器が存在できた。
電気を使わずに針先の振動を音に変えていくだけの機構で、けっこう音量が得られた。
これを同じことをモノーラルLPで仮に試みたとして、どれだけの音量が得られるだろうか。
SPの溝と比較してマイクログルーヴと呼ばれるLPの溝をカートリッジの針先がトレースして、
それを基にカートリッジは発電している。
カートリッジが発電する電圧は、一部の特殊なカートリッジを除けばmVクラスである。
MM型カートリッジ数mV、MC型カートリッジともなると一桁小さな値になる。
MC型カートリッジには空芯か鉄芯入りかの違い、インピーダンスの違いなどにより、
出力電圧はさらに違ってくる。
低いものでは、さらに一桁小さな値になる。